ご案内
今後は,キャッシュフローを重視し,資本市場に高く評価される企業を目指すという方向性は,社長も認めており,その方向性を反映した計画立案が要請されています。
データ(次ページの表4-4参照)を使って,過去のFCFを分析してみました。
97年度分は最終四半期分の数値が予測になっていますが,実績との乖離は小さいと予想されるので,実績値として取り扱います。
表4-4の貸借対照表(B/S)は, FCF分析用に一般的なものとは少し様式を変えてあります。
事業活動サイドでは,事業への投下資本(運転資本と資本的投資)の内訳が示されています。
通常のB/Sでは貸方に表示される,仕入債務やその他流動負債は,流動資産合計から控除する形式で表示しました。
財務活動サイドでは,事業への投下資本の調達源泉が示されています。
金融資産(現金と現金等価物,市場性ある有価証券)は事業投資ではないとみなし,このサイドの控除項目としました。
このデータに基づいたFCFの算出過程と結果を,表4-5に示します。
FCFの算定方法については,第II章の3節「キャッシュフローの把握方法と体系」を参照してください。
リュー・ドライバーのうち, FCFに関係する5つのドライバーの実績値を計算しました。
また,運転資本回転期間を,その内訳項目の回転日数に1段階,展開しています。
簡略化のため各項目の回転期間算定にはすべて売上高を用いました。
資本投資残高に対する償却率は,直接的なバリュー・ドライバーではありません。
減価償却費はノンキャッシュ費用だからです。
しかし,減価償却費は税額計算に影響を与えるので,税額の予測上,設定しておく必要があります。
この観点から,償却率はキャッシュ税率の内訳項目の一つと考えることもできます。
FCF分析表を見ると, 96年度と97年度のFCFが大きくマイナスになっています。
主な原因が2つあります。
一つは,両年度における売上の伸びと運転資本効率悪化(運転資本回転日数の長期化)によって, 96年度には300億円, 97年度には230億円も運転資本が増大したことです。
もう一つは, 96年度, 97年度共に資本的支出が700億円を上回る高い水準にあったことです。
これは,需要増加が見込まれる新半導体製品の生産能力を大幅に増強したためです。
はどうしようもありません。
まず堀さんは,基本となるシナリオを考えてみました(表4-6参照)。
需要予測と,競合他社の動向から今後3年間の年次売上成長率を予測しました。
98年度は,景気低迷のため売上成長は見込めません。
その後は需要は回復基調に向かい, 99年度は前年比3%, 2000年度は同5%の成長が見込まれました。
そして,事業構造・プロセスを変化させない場合を想定して,売上成長率以外のバリュー・ドライバーの値は, 97年度と同様としました。
これが基本シナリオです。
今度は,バリュー・ドライバーの値を使って,損益計算書(P几)や貸借対照表(B/S)の数値を計算しています。
FCF算出のためには,事業活動にかかわる項目が判明すればよいので,P/Lの財務収益・財務費用,B/Sの財務活動サイドは予測していません。
なお,その他の収益・その他の費用は影響が小さいので無視しました。
予測されたFCFを見てみると,売上が横ばいの98年度はFCFが75億円と低水準ながらプラスであるのに対して,売上が成長する99年度丿2000年度は運転資本と資本的支出増大のため,マイナスになってしまいます。
FCF向上のためには,現状の事業構造・プロセスを変革する必要があるといえます。
向上に効果的な領域を発見するために,バリュー・ドライバーの感度分析をやってみました。
具体的には, 98年度について,基本シナリオにおける各ドライバーの値を,1%望ましい方向に変化させた場合の, FCFの変化を算定しました(表4-7参照)。
あるドライバーを変化させるとき,他のドライバーの値は一定として算定しています。
また,このケ−スでは,単年度FCFへの感度を求めています。
モデルを精緻化することで,予測期間内の複数年度のFCFと,残存価値への影響を算定し,企業価値に対する感度を分析することも可能です。
この結果,やはりX社はある年度に売上高を増加(販売数量増によって)させると,当該年度のFCFが減少する構造を持っていることがわかりました。
堀さんは,構造を改革しFCFを高めるためには,キャッシュ利益キャッシュ利益率キャッシュ税率運転資本回転期間率向上,資本投資残高回転率の向上,そして運転資本効率向上が重要と判定しました。
バーの改善施策について検討していたとき, X社の経営企画室では,現在,主要製品の,購買,生産,販売といったサプライチェーン全体にわたる改革プロジェクトの構想を練っていると聞きました。
そこで,堀さんはこのプロジェクトが, FCF向上に効果があるのか,あるとしたら,どのくらいなのかを試算することにしました(表4-8参照)。
企画室メンバーとともに,サプライチェーン改革プロジェクトが,バリュー・ドライバーに与える影響を予測していきました。
その結果として, 98年度にプロジェクトを開始した場合,キャッシュ利益率は, 98年度が9.7%に, 99年度がた。
また在庫の回転日数について, 98年度が60日に, 99年度が50日に, 2000年度が45日に向上すると予測されました。
そして,これらの値をFCFモデルに入力しました。
また,このプロジェクトを実施するためには, 98年度と99年度に50億円の支出が必要と見積もられていたので,両年度のP/Lの「その他の費用」に支出額を入力しました。
その結果,大幅なFCF改善効果があることがわかりました。
98年度などは,税引後利益は3億円減少しますが, FCFは173億円増加し, 248億円になります。
堀さんは,このプロジェクトを最優先で実施することを,役員会で提案しました。
プライスウォーターハウスから出版された『CFO』(邦訳『事業価値創造のマネジメント』ダイヤモンド社)に記載されている,ある電気通信会社の例を紹介しましょう。
この企業は,通信業界の規制緩和が自社の企業価値にどのような影響を及ぼすか評価したいと考えました。
規制緩和による競争激化によって,価格低下圧力に直面することははっきりしていましたし,マーケット・シェアも新規参入者に侵食されることが予想されていたからです。
バリュー・ドライバー感度分析を実施してみると,2001年までにマーケットシェアを毎年1%失うことによって企業価値を2億2700万ドル低下させることが判明しました。
また毎年-I 0/料金が低下すると企業価値を4億4400万ドル損なうこともわかりました。
しかし逆に,毎年1%あるいは8300万ドルのコストダウンを行えば,10億ドルまで企業価値を立て直せることも判明しました。
現在,同社の経営陣は,検討中のさまざまな変革プロジェクトが,バリュー・ドライバーに与える影響を予測し,企業価値モデルで企業価値への影響度を評価することで,それらの優先順位づけを実施しています。
また,着手済みのプロジェクトの実行状況は,事業運営面からモニタリングされるとともに,企業価値への貢献度についても評価されています。
3 価値向上を目指した業務活動 事業価値や企業価値は,社員一人ひとりの活動の巧拙によって創造されたり,破壊されたりします。
企業価値創造に貢献する領域を特定し,バリュードライバーを抽出します。
そしてそのドライバーを向上・改善するための成功要因を探し出し,その要因を図る物差しが何かを検討します。
医師 求人の実態がよく分かります。いつもヤル気にさせてくれる医師 求人です。
医師 求人を見に付けてみましょう。専門家が医師 求人についてお答えします。
医師 求人としてご利用いただけます。本格仕様の医師 求人です。
医師 転職を狙うなら今がチャンスです。今季大注目の医師 転職が登場です。
医師 転職の新しい魅力を紹介します。欲しい医師 転職が欲しい所に来た感じです。
人気キャラクターを題材にした医師 転職です。便利で楽しい医師 転職が満載です。
